耐震・構造設計のことなら株式会社 文化財構造計画

株式会社 文化財構造計画

知識と技術

 文化財建造物の耐震補強や保存活用計画を策定するためには、一般の建物とは異なる知識と技術が必要になります。私たちは多くの文化財建造物に関わる中で少しずつそれを身に付け、蓄積してきました。
 文化財建造物はたくさんありますが、その文化財建造物はたったひとつのものです。そのひとつしかない文化財建造物の価値を守るために、最高の知識と最高の技術をもって取り組みたいと、私たちは考えています。

文化財建造物との関わり

 文化財建造物は、時代性や地域性、意匠性においてそれぞれ特徴を備えています。またその用途も建物で異なっております。そのため、耐震補強を行う場合において、他の建造物と全く同じ補強ということはありません。構造補強を計画する際には、個々の文化財建造物の価値が、どこにあるかを意識することが重要です。同じ建物であっても、文化財としての価値を意匠にあるとするのか、当初部材などの材料にあるとするのか、これまでの使われ方にあるとするのかでは、補強のコンセプトが全く変わってきます。そのため、文化財建造物の構造補強においては、文化財としての価値を修理技術者とコンセンサスを持って臨むことがとても重要になります。私たちにとって、多くの学識経験者や修理技術者と多くの文化財建造物に関わってきたという経験が、貴重な財産になっています。
 また、文化財においては、文化庁との協議や補助金に対する判断も、文化財を扱う上で重要になります。私たちは、それらについても経験を重ねておりますので、文化財補助金についても助言を行うことができます。


構造の技術

 文化財建造物のほとんどは、現在の建築法規が制定される前に建てられたものです。そのため、一般の建物と同じように法規に沿って構造解析を行っても建物の正しい構造性能を把握することは出来ません。実験や高度な解析を用いて、建物の挙動に適した評価をする必要があります。また、煉瓦造建造物のように材料の特性の把握が難しい建物の場合は、適切な調査計画が必要になります。これが適切でなければ、診断結果や補強計画も適切なものとはなりません。
 構造解析においては、構造種別ごとでその特性が分かりやすい解析方法を行います。木造では部材にかかる力や変形が分かるように立体フレームモデルでの検討を前提としています。煉瓦造では過去の破壊事例から面外方向への崩壊が多いことが分かっているので、面外方向と面内方向の両方向での解析を行います。構造的な弱点を詳細に検討することで、補強範囲を最小となるようにします。また、詳細な解析を行うことで、補強についても様々な方法を試みることができます。
 私たちは、文化財にふさわしい補強をめざすために様々な調査と解析を行ってきました。正しく構造性能を理解し、必要最小限度の補強を行うこと。それが私たちの目標です。


建物と補強の納まり

 図面や外見からだけで文化財建造物を理解し、耐震補強を行うことは不可能です。なぜなら構造の重要な部分は見えないことが多いですし、実際には図面では記載されていないことがたくさんあるからです。小屋裏や床下、また壁の内部や仕口など実際に見てみなければ判断できないことが多くあります。私たちも様々な建物調査や解体修理に関わることで、建物を理解することができるようになってきました。
 また、構造補強の具体的な施工において、最も重要な納まりとは、建物と補強の取り付けの部分です。文化財建造物が相手ですので、補強効果を発揮する最小限度の納まりを考えなくてはなりません。それには何度も足を運び、建物と対話することが必要になります。
 また補強が見える場合には、その形状や仕様も重要になります。文化財ですので、可逆性を極力持たせることや、文化財の一部と見えないように区別すること、かつ全体の意匠に配慮した設計とすることなど、様々な部分に気を配る必要があります。
 小さくてシンプルで美しく文化財にやさしいディテール。私たちは、それを目指して日々知恵を振り絞っています。