みなさま、こんにちは。
文化財構造計画の冨永です。
6月21日から東京文化財研究所の技術者派遣のプロジェクトでブータンに来ております。このプロジェクトは、2009年と2011年にそれぞれM6.1、M6.9の地震が発生し、伝統的な民家に被害が出たことを受けて、伝統的な民家の耐震性や補強方法をどのような方法で検討すればよいかをブータン側の支援を行うことを目的としています。
プロジェクトの内容について、ここで具体的に記載することはできませんので、ブータンの国や建物などを中心にご報告できればと思います。
ブータンは王様が日本に来られたので国の名前はご存じかとは思います。ただ、”幸せの国”という言葉以外はあまりご存じではないのではないでしょうか。
ブータンは図に示すようにネパールの東、インドの北、中国の南という位置にあります。この中国とインドの間というのが、地政学上とても重要になります。人口はおよそ70万人。標高は南部は1000m以下の低湿地、北部の国境付近では7000mの連峰と国土にとても標高差があります。首都のティンプーは標高2400mぐらいです。ここでも空気が薄く走ったり階段を登ったりすると息がすぐに切れてしまいます。
ブータンの地図 by google map
日本からブータンにアプローチする方法は、主に二つあります。ひとつはバンコク経由、もうひとつはデリー経由です。今回でブータンに来るのは4回目になりますが、バンコクの方がアクセスがよいのですべてこのルートをとっています。バンコクからはブータンのデュルクエアというブータンの飛行機で入ります。
パロ空港
国土は険しい山岳と急峻な渓谷が大部分を占めています。空港のあるパロから首都のティンプーは川沿いに隣の谷へ移るように移動し、約1時間半かかります。このあたりはブータンの西部に位置しており、農業を営む人たちが多い地域です。
パロ~ティンプーの道中
首都のティンプーは、人口約10万人でブータンで最も大きい都市です。初めて来たのが2010年ですが、近郊にどんどん新築の家屋が建てられており、人口は急増しているようです。
今日は土曜日ですので、民族衣装を着ている人が平日より少ないように思います。ブータンでは制服や職業上のオフィシャルな格好が民族衣装となります。ですので、夜は家に帰って洋服に着替えて町に繰り出す人たちが多いようです。
ティンプーの町並み
本格始動は明日から。本日はこの辺で。