みなさま、こんにちは。
文化財構造計画の冨永です。
本当にご無沙汰しております。書かないとより書かなくなってだめですね。
いいわけはさておき、これから5月にドイツの産業遺産を見に行ってきたのでそれについてお話したいと思います。
まず、どうしてドイツの産業遺産の活用事例を見学してきたかと申しますと、日本の産業遺産の活用計画を策定する上で参考事例として挙げられることが多いからです。
文化財建造物の活用においては、保存を行うことと活用によって変更することのバランスをとることが一番の課題となります。どこまでは手を加えてよくて、どこまでは手を付けてはいけないのか。これをどういう理念で行うかが重要です。保存とのバランスが重要なのは、構造補強も同じです。
日本よりもより厳密な保存をしているといわれるヨーロッパにおいて、どのように活用しているのか。それを実際に見学し、建物を感じたいと考えたのが主な動機でした。
今回訪れたのは、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州のうち、デュイスブルグ、エッセン、ボーフム、ドルトムントなどのルール地方で、ルール工業地帯があった地域です。 ドイツのルール工業地帯は石炭・鉄鋼で栄えた地域ですが、現在はそれらの産業が衰退しており、産業で使われた建物をその時に作られた建物をミュージアムや公園に転用して活用しております。
転用事例として、ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群、北デュイスブルグ景観公園、ヴァルトロップビジネスパーク、ウェストファリア工業博物館、ヴェストパークを見学してきました。
今回の視察は、全くの独力で誰の案内や通訳もない、まったくの一般客の範囲での視察になります。ドイツ語も分かりません。そのため、本当に見たまま、感じたままの視察でしたが、得られるところは大きかったように思います。
では、次回から報告をしていきたいと思います。