みなさま、こんにちは。
文化財構造計画の冨永です。
今回も引き続きブータンの話題をお送りします。
本日はブータンに来て二日目。市内にある民家の構造調査を行いました。
今回の調査建物はブータン西部の一般的な民家の形式です。3階建てになっており、外壁は一階と二階は版築造、三階は正面が木造、背面側が版築造となっています。版築造とは土を突き固めて壁を作る工法です。床は、木の根太を壁間に渡し、細い木などを並べた上に土を敷いて作られます。小屋組は土の床の上に木造で架構を組みます。屋根は、板を敷いてその上に石を置く石置き屋根の形式です。近年では、石置き屋根のメンテナンスが大変なので、トタンで屋根を葺いているところが多くなっています。
ブータンの伝統的民家(上:今回調査建物、下:前回調査建物)
民家の小屋組
石置き屋根
首都ティンプーでは、このような伝統的な工法での住宅の建設は禁止され、コンクリートの柱と梁に煉瓦で壁を設けた構造の建物になっています。ただ、屋根、外観、窓枠などは伝統的な意匠を取り入れるように法律で定められています。
新しい建物の建設現場
ティンプーは人口が急増しており、郊外にこのような新しい建物がどんどん建っています。インドからの援助によって経済が活性化し、首都に人口が集中しているそうです。