みなさま、こんにちは。
文化財構造計画の冨永です。
この度の熊本地震からもう2週間ちかくが経過しております。耐震補強を行う仕事をするものとして、多くの建物が倒壊して多くの命が失われてしまったこと、とても残念に思います。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。
公開されている地震データを見ますと、木造などの建築に影響を与えやすい地震波であったように思えます。それがこの悲惨な結果につながったのでしょう。
また、関わってきた文化財建造物のうち、まだ補強工事の段階に至っていないものが被害を受けてしまったことにも非常にショックを受けました。
文化財建造物はその構造の特殊性や文化財的価値の担保のために、どうしてもある程度の時間をかけて検討を重ねることが必要です。
調査や文化財の価値について様々な検討段階を経ること、その保存理念について関係者からコンセンサスを得る段階が必要であることを考えると、検討自体の大幅なスピードアップは難しいと考えます。
急いで検討を進めて方向性を間違うと、地震で壊れる前に自ら文化財の価値を失わせてしまうことになってしまいます。
建造物を早く補強するためにできることは、少しでも早く耐震対策にとりかかることです。
文化財建造物の活用も安全性あってのこと。
難しい問題から目をそらさずに、すばやく着実に一歩ずつ進める勇気が大切ですね。