ひきつづき、文化財構造計画について説明させていただきます。
私たちの現在の主な仕事は、建造物の構造に関わる業務ですが、昨年より文化財建造物の保存活用計画の策定も行っております。
これは、文化財建造物のどこに重要な価値があるのかを把握することで、今後に文化財の価値を損ねることなく活用するための計画を策定する業務です。
文化財建造物の構造補強の設計を行う場合には、文化財の価値を損ねないために、どこに文化財的な価値があるかを把握する必要があります。そのため、保存活用計画と連携して補強計画が策定できるような体制をつくりました。
また、登録文化財建造物や伝建地区内の建造物、地方指定の文化財建造物の修理では、重要文化財のような本格的な文化財の保存や補強に対する経験や知識をもつ設計者が十分ではありません。
構造や保存活用計画の部分を私たちが担当することで地元の設計者と連携し、文化財に関する知識の情報交換をしながら保存に取り組むこともよいのではないかとも考えています。
文化財保存に関わる仕事は、日本のアイデンティティに関わる尊い仕事であり、責任の重い仕事です。
私たちはそれを十分に自覚しながら、文化財を守るもの、そして安全を守るものとして、誠意を尽くして業務にあたりたいと考えています。
長文になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
みなさま、今後ともどうぞよろしくお願いします。
事務所作業風景 / 大阪