みなさま、こんにちは。A.Fです。
さて、今回は全近後編と題して引き続き、報告させていただきます。
2日目は、旧富岡製糸場でイタリア産業都市に関する報告としてイブレア市から講師を招いてシンポジウムを行いました。
イブレア市は、人口25,000人で近代建築群を産業遺産として世界遺産登録に向けて活動を続けています。
富岡市と同じ立場からイブレア市の取り組みなどのお話をいただきました。
旧富岡製糸場旧首長館にてシンポジウム
午後は現地見学会として、碓氷製糸農業協同組合と碓氷峠鉄道関連施設を見せていただきました。
現在、製糸業は厳しく1980年代を境に原料繭高や製品生糸販売価格安、製造コスト高により平成3年に50工場あったものが、今では碓氷工場を入れて2工場のみとなってしまったそうです。
下記に添付したのは碓氷製糸工場での自動繰糸機の映像です。
また、この繰糸機は旧富岡製糸場にあるものと同じ機械です。このように動いているということは旧富岡製糸場の機械もメンテナンスを行えば動くのでしょうか。
碓氷製糸工場[2]
碓氷製糸工場 自動繰糸機(写真左側)
碓氷峠鉄道関連施設は、フェイスブックのめがね橋写真も大変人気でしたが、日本ではじめて近代化遺産として、平成5年に国の重要文化財に指定された施設です。
横川~軽井沢間の11.2㎞の鉄道で、現在はその中の第二橋梁~第六橋梁と第一隧道~第十隧道、そして旧丸山変電所電池室、同じく機械室が重要文化財に指定されています。
第六隧道(左側)、第三橋梁(右側)
現在は、遊歩道「アプトの道」として、熊の平~めがね橋(第三橋梁)まで約6㎞となっています。今回はこの6㎞を歩きました。
この時期は要注意です!
ヤマヒルが活発に活動していて、何人か被害に遭いました。という私も血を吸われかけましたが。。。ですから、みなさま、お出かけの際はヒル対策をお忘れなく。
最終日は新町紡績所と高山社の見学でした。
新町紡績所は、明治に建てられた屑糸紡績所です。
屑糸紡績とは、繭から絹糸を作る課程で屑糸が発生します。これを集め不純物を取り除き、生糸を造る工場です。新町紡績所は、富岡製糸場をはじめ全国から屑糸を集め生糸を生産していました。
現在は、クラシエフーズが所有しアイスなどの食品を生産する工事として使用されています。
建物は木造から煉瓦造まであり、現在、その価値等を明らかとするために調査が行われているそうです。
木造工場内(左側)、ボイラー室と動力室(右側)
一方、高山社は「富岡製糸場と絹産業遺産群」として旧富岡製糸場とともに高山社跡として推薦されています。
高山社は、明治から大正にかけて高山長五郎によって確立された養蚕法「清温育」を国内、中国などに普及した養蚕結社です。
建物は明治初期、明治24年に増築されました。また、平成21年には高山社跡として国指定史跡に指定されました。現在は、藤岡市が管理しています。
高山家長屋門(左側)、高山社2階内部(右側)
以上、駆け足でしたが全近三日間のご報告でした。
思った以上に長くなってしまったので、この後の「おまけ」で全近編を完結したいと思います。