みなさま、こんにちは。
文化財構造計画の冨永です。
10月というのにまだ暑いですね。うちの事務所では、10月1日でいったん終わったクールビズを、また再開し10月末まで延長いたしました。環境省では10月末までクールビズ期間となっているのですね。
さて、今回は文化財にはまったく関係なく、綱引きについて構造的に考えてみたいと思います。
先日、綱引きに参加したのですが、そのときに後ろの方が、「このグラウンドは傾斜しているから、こちら側が必ず勝つようになっている」ということをおっしゃっていました。傾斜していると言われてもよくわからない程度の傾斜なので、半信半疑で聞いておりました。
いざ綱引きが始まると、私たちが楽勝で勝つことができました。私は、「こんな楽勝なのは、力の差があるからで、傾斜は関係ないんじゃないか」と思っていました。
次は陣地を交代して再戦です。
するとどうでしょう。今度はあっという間に負けてしまいました。同じ人たちが同じように引いているはずなのに、圧倒的に負けてしまいました。そして、また交代するとまた簡単に勝ちました。
となると、やはり傾斜が関係しているのかもしれません。
傾斜をθ、両者の体重の合計をPとすると、Psinθの力が傾斜の下側のチームに加算されることになります。角度によりけりとは思いますが、体感としてはわずかな傾斜で結構影響を受けるものだと感心しました。
ネットで綱引きの力学や必勝法について調べて見ますと、結構いろんな方が綱引に関する力学的な考察をしております。
その中でなるほどと思ったのは、
・上を向いて引くべし
→ 上を向くことで引く力のベクトルが下向きとなり、足への軸力が増えて摩擦力が上がる。
・足はひきずられないように歩いて踏ん張る
→ 足がひきずられると摩擦係数が静摩擦係数から動摩擦係数へとかわることで摩擦力が減るので、静摩擦係数を維持するように引っ張られると足を出して歩いて踏ん張る方がよい。
・足を伸ばして回転を使う
→ 足を伸ばして視点となる足先から重心の位置を遠くして、下向きに回転するモーメントを増やして摩擦力をあげる。
という点です。
引くことに意識を置くのではなく、足が滑らないことに気を付けることが重要だということをはじめて知りました。
言われてみれば、負けるときは足がずるずる持って行かれることが多いように思いますね。
もし、これから綱引きをされる方は、参考にしてみて下さい。
今回は本当に雑談でした。
重要文化財 中込学校 / 長野県