みなさま、こんにちは。
文化財構造計画の冨永です。
9月も終わりに近づいてきて、朝晩は涼しくなってきたものの、日中はまだまだ夏の日差しのようです。そろそろクールビズも終わりだというのに。。。今回は、当社のロゴについてお話をしたいと思います。
「文化財構造計画のロゴは何を表しているのですか?」
これはよく尋ねられる質問です。会社名ではないですし、文化財や構造にどう関係があるのかわかりにくいですよね。
実は、このロゴはトラス梁をイメージして作られています。トラス梁がどのようなものかをご存じの方は、ロゴの下半分を隠せば分かってもらえるかと思います。
木造トラス梁による小屋組
トラスとは、三角形を基本単位としてその集合体で構成する構造形式で、建築では屋根の構造体である小屋組の架構で多く用いられています。
この構造形式を日本で小屋組で用いられ始めたのは、明治期に洋風建築が導入されてからです。
それまでの日本建築の小屋組は、梁に束を立てる形式で作られていました。この形式では梁の曲げ耐力で屋根を支えるため、大きな間隔を支持するには、大きな断面の梁が必要となりました。
トラス形式は三角形で構成していくので、部材の曲げではなく軸力だけで架構を支えることができます。その場合、大きな部材を用いなくても大きな間隔を支持することができるようになります。小さな部材で大きな間隔を支持できる合理的な構造であることから、トラスは明治の中頃より全国に広まりました。和風の建築であっても、小屋組だけはこの洋風トラスにしている建物も多くあります。
建物の外観からは分からない出来事ですが、トラス形式の導入は、建築構造技術史上で、とても大きな変革といえます。
私たちは、文化財建造物の構造計画において、技術変革の核となるような事務所になれるよう願いを込めて、トラスをモチーフとしたロゴを用いております。
ちなみにこのロゴは、コンペを行って選んだものです。ランサーズというコンペができるサイトを利用して募集しました。約30の案が提案された中で採用したのが現在のロゴです。
ちなみに他の案は下記のサイトに載っています。
http://www.lancers.jp/work/proposals/13403
このロゴのデザイナーであるkoji-okabeさんは、「日本の伝統を感じさせながら洋のイメージにもマッチするもので信頼感のある形」というコンセプトでこの形を考案されたそうです。
デザインをトラスの三角形から四角形にすることで、建物全体の骨組も連想できるロゴとなり、より私たちを表現するのにふさわしいイメージになったように思います。
名前負けならぬ、ロゴ負けせぬように日々精進したいと思います。