-「重要文化財(建造物)耐震診断・耐震補強の手引」の紹介-
みなさん、こんにちは。
文化財構造計画の冨永です。
新年度が始まったかと思えば、もうゴールデンウイークですね。私たちの事務所も4月から新人が入り、私も含めて8名となりました。人数が増えると活気もでてきますし、いろんな角度からの議論もできます。力を合わせて新業務に取り組んでいきたいと思っております。
さて、今回からは「重要文化財(建造物)耐震診断・耐震補強の手引」という冊子の紹介をしていきたいと考えております。
この冊子は、平成25年10月に文化庁文化財部参事官より発行されたものです。同じ文化庁文化財部によって作成されている「重要文化財(建造物)耐震診断指針」についての解説を目的とした手引書になります。
平成24年6月に「重要文化財(建造物)耐震診断指針」、「重要文化財(建造物)耐震予備診断(旧所有者診断)実施要領」、「重要文化財(建造物)耐震基礎診断(旧基礎診断)実施要領」の改正に伴い、各内容の周知とその解説を行い、理解がより深められるように作成されたものです。私もワーキングの委員として、これらの指針改正や手引の作成に関わりました。
これらの指針や要領には、目指すべき性能や診断の具体的な進め方の一部分について記載されているものの、実際に診断に着手しようとすると、具体的に誰と何をどのように進めればよいのかがよくわかりません。それらを補うべく作成されたのが、この手引になります。
手引には、診断を実施する体制や進め方、調査や診断の手法、文化財における構造補強の考え方、補強事例、国の補助事業についてなど、業務を進める上で必要なことが幅広く記載されています。
構造の専門家でなくとも分かりやすいことを心がけて書かれてはいるのですが、やはり難しい内容もありますし、一通り目を通すのもなかなか骨が折れます。
そこで、ここでは特に重要なところや分かりにくいところを取り上げて、手引のさらに解説をしていきたいと考えております。
というわけで、「手引の手引」となります。
ただし、このブログでの内容については、文化庁の公式な見解ではありませんので、文化庁の主旨と若干の相違が生じているかもしれません。その点はご留意の上、あくまで参考意見としてお読み下さい。
「重要文化財(建造物)耐震診断・耐震補強の手引」は文化庁のホームページでデータをダウンロードできますので、お持ちでない方はまず入手されて、内容をご覧になってください。
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/hogofukyu/pdf/kokko_hojyo_taisin14.pdf
では、次回からは第1章の内容から説明していきたいと思います。